エルバンは1670年（ルイ14世在位時代）にパリで生まれたシーリングワックスとインクの老舗ブランドです。船乗りだった創始者J.エルバンがインドで買い付けた材料が飛躍的にシーリングワックスの質を高め、「封ろう」という習慣が欧州に根付くきっかけとなりました。それによりエルバンは王室御用達ブランドとなり、やがて1700年にはインクの本格的な生産を開始するに至ります。1792年に最後の神聖ローマ皇帝フランツ2世載冠の折には、エルバンのインクが献上されたとの史実も残されています。フランス人が最初に指名するインクがエルバン。そのインクを誰もがカジュアルに楽しめるように発売されたのが、このカートリッジ式万年筆です。筆記時の全長が約140mmと短め、かつ軽量なボディなので、持ち歩きにも適しています。

ペン先は一般的に使いやすいF（細字）タイプ。クリアボディなのでペンの構造も見えますし、インク色や残量も確認できます。

インクの交換は、カートリッジの細い方をグッと差し込むだけ。万年筆初心者の方でも、手軽に水性インクの滑らかな書き心地が味わえます。「万年筆って、扱いが難しいものじゃない」ということを感じさせてくれる1本です。

海外ブランドのF（細字）にしては、細く書けるほうだと思います。手帳など、細かな文字を書き込むのにもいいですね。（万年筆購入時には、ナイトブルーが１本付いています。）

カードリッジインクは、小さな円柱の缶に6本入りで￥550（税込）です。1700年から続く、フランスを代表するインクの発色の良さをお楽しみください。インク色を変更する場合は、ペン先と首軸部分をしっかりと洗浄してください。