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オリジナル製品について

“Write the world!(世界を書こう)”がタッチアンドフローの合言葉です。手で書く楽しさを追求し、紙の品質や触り心地にこだわったオリジナル製品を作っています。手帳やノートのカバーも、毎日触れるものだからこそ愛着が湧く素材を厳選し、デザインや加工にもこだわりを詰め込んでいます。

素材と加工

素材選びでは、道具としての機能を満たすことが最も重要ですが、使い込むことで愛着が深まる素材であることも大切だと考えています。使うほどに少しずつくたびれるのは自然なことで、特に自然素材はその変化が愛おしく、美しさが増すことさえあります。だからこそ、私たちは自然素材にこだわります。

本文紙

手帳やノートの本文に使われるオリジナル用紙は、株式会社デザインフィルが1960年代に開発したMD用紙です。万年筆インクでも裏抜けしにくく、にじみにくい筆記適正を持ち、目に優しいクリーム色と、わずかなひっかかり具合が滑らかな書き味との絶妙なバランスを実現しています。

表紙

デイリースケッチなどの表紙は古紙パルプ40%を含むFSC認証のエコペーパーを使用。一般的には、表紙に汚れ防止のためにPP加工を施しますが、紙本来の発色や手触りを楽しんでいただけるようそのままの仕上げです。使い込むことで、少し破れたり汚れたりする様子も自然素材の魅力だと捉えています。

手帳カバーや財布には、イタリア製のシュリンクレザーを使用。適度なコシを残しながらもソフトでしっとりとした質感が特徴で、傷や皮脂汚れも付きにくい加工を施しています。また、発色の良さと透明感を兼ね備えた染色方法は、退色堅牢度が高く変化も緩やかですが、使い込むと艶が増します。

革の床面

床面(裏面)も銀面(表面)と同系色に染まった革は、ゆるやかに経年変化していきます。さらに、床面は全体をベタ漉きした上にアイロン加工でていねいに毛羽立ちを抑え、上品に仕上げています。そして、この丁寧な仕上げによって、内生地がなくても手帳やノートが滑らかに開閉できるようになっています。

真鍮

革製品に使用しているオリジナルのスナップボタンは真鍮製。これもまた、紙や革と同じくゆっくりと変化してゆく自然素材。ひとつずつ旋盤で削り出した挽き物なので、美しく放射状に光を反射します。無垢な真鍮のソリッドさが感じられるように、酸化を抑えるための必要最小限のクリア塗装のみで仕上げています。

活版印刷

1960年代製、ドイツのハイデルベルグ社の活版印刷機が今も自社工場で稼働しており、主にカード制作に使用しています。独特の質感と温かみのある仕上がりが特徴です。凹凸のある文字や図案が手に伝わるアナログの魅力は、贈り物にも最適です。これは私たちのものづくりの理念にも通じています。

デザイン

飽きずに長く愛用しているものは、一見するとなんてことのない姿形であることが多いもの。オリジナル製品のデザインは、控え目で主張はし過ぎず、それでいて頼りになるような、まるで「毎日会いたくなる友のような」存在であることを目指しています。

タイプフェイス

書体が体現するムードは、デザインにおいて重要です。オリジナル製品の書体は、イギリスの彫刻家エリック・ギルが1920年代後半に制作したGill Sans(ギル サン)。古代ローマ碑文などの古典を基にしつつ、モダンで整然とした印象。写真は銅線を手で曲げて作ったので揺らいでいますが、これもGill Sansです。

本文の罫線や数字は、すべて薄く控え目なチャコールグレイです。さまざまなペンでの筆記テストを経て、この印刷色に決めました。休日の表記にさえ赤や青といった目立つ色は使用しません。書くことを邪魔せず、何よりも書いた文字を引き立てること。それがタッチアンドフローの目指すデザインです。

文房具は、ノートやカードなど四角いものが多い中で、ダイヤ型封筒の三角フラップ部分、「斜めに走る線」に親しみを感じ、そのデザイン要素をレザーカバー、財布やペンポーチなどさまざまなアイテムに採用しています。革製品であっても、その根底にはステーショナリーへの思いが宿っています。

1枚仕立て

タッチアンドフローの革製品は、柔らかな革の質感を活かすため芯材を使用せず、また軽さと薄さを追求して内生地も貼らずに革一枚で仕立てています。芯材がなく柔らかいため、ゆっくり丁寧な縫製が求められますが、これにより手帳カバーは机上でフラットに開く仕様になっています。

角丸

すべての手帳とノートは角丸仕上げにこだわっています。角丸は上下の角を丸くすることで、角が傷みにくく、ページがくっつきにくいなどのメリットがあり、デザインにもやさしい温かみを加えます。タッチアンドフローでは、革カバーも手帳やノートに合わせて角丸に仕上げています。

ネーミング

製品名は「どのような存在であってほしいか」を考えて決めています。例えば、勉強や仕事のノートではなく、日常の中で立ち止まり未来を見据える日記のような存在を目指し、「スケッチ」という言葉が浮かびました。そのイメージから、毎日をスケッチするノートデイリースケッチが誕生しました。

10th Anniversary