アグネータ・フロックは、テキスタイルの世界で確固たる地位を占めるとともに、切り絵の世界においても高い評価を得てきたスウェーデンのアーティスト。
教育者でユネスコの教育専門家でもあった父の仕事の都合で、幼少期はエチオピアで、そして12~15歳という多感な時期をタイで暮らしました。市場を彩る布や野菜、果物、道行く人々の美しいパラソルの色…。情熱的な音楽やダンス、そして神秘的な寺院の佇まい…。生を受けたヨーロッパの文化と、少女期を過ごしたアジア・アフリカの記憶とが重なり合い、アーティストとしてのアグネータの魅力的なイマジネーションの世界が生まれました。そして、さらには父が語ってくれた創作物語や植物標本帳、ギリシャ神話や中世の寓話の夢見るようなイマージュたちも彼女の創造力にさらなる深みを与えてくれました。
現在では「切り絵」の仕事の比重が大きくなりつつありますが、その魅力は、風景やモノを写生して切リ絵にするのではなく、彼女の心の海にひろがる豊かなファンタジーの世界を表現しているところにあります。アグネータの幻想的で寓話性に満ちたさまざまな物語をゆっくりとご覧ください。
アグネータは幼い頃から家で紙の人形を作って遊ぶことの好きな少女でした。それだけにタイの伝統芸能である影絵劇には心酔し、今もその影響が作品に色濃く残っているように感じられます。それと物語性。この原画の中でも、花と鳥たちが語り合っているように見えます。
原画、リトグラフの展示に加え、風呂敷やハンカチ、便箋やクリアファイルといった文具・雑貨もご用意しています。
アグネータの世界にたっぷりと浸っていただけるこの機会、ぜひ日本橋髙島屋S.C.店にお立ち寄りください。
展示販売期間
日本橋髙島屋S.C.店:2019/06/26(水)~07/16(火)
※最終日は午後5時閉会です。
Agneta Flock アグネータ・フロック
切り絵作家/テキスタイル・アーティスト
1941年 スウェーデン、イェテボリーに生まれる。
1965年 Konstfack(スウェーデン国立美術工芸大学) テキスタイル科卒業
1980年代末~ 童話や寓話、神話などをモチーフにした切り絵を発表し個展を開催。
2004年 「おしゃれ工房」(NHK出版)で日本でも人気を博す。
2011年 「アグネータと魔法の切り絵」(NHK BSプレミアムで放送)で大反響を得る。
世界各国の文化、自然やスウェーデンの民話、古代ギリシャ神話、ヨーロッパ中世寓話、日本の和歌の世界までもがインスピレーションの源になっている。作品は、ストックホルムの国立美術館、ルス博物館等に所蔵。