1950～60年代、フランスの企業がノベルティとして、ビュバー（BUVARD）と呼ばれるインク吸取紙をつくって配布していました。ボールペンの普及にともない姿を消していきましたが、近年ではその印刷や図版の素朴さも相俟って、コレクションの対象になっています。
たとえば、万年筆や水性ボールペンで書いた文字のインクが乾く前でも、このビュバーをさっと挟めば、すぐにノートやダイアリーを閉じることができます。ブックマーク代わりにもなり、一石二鳥。 サイジング（滲み止め処理）が施されていない、ふかふかのインク吸取紙に活版印刷されたパターンが、ふかふかとした表情に見えるのは気のせいでしょうか。
ビュバーが活躍すればするほど、どんどん汚れていきます。それは、あなたの足跡ならぬ筆跡の写し。 B6サイズ、3枚入。

左上から時計回りに、花、山、葉、木の4柄展開。春、夏、秋、冬の四季の色でもあります。

インク吸取紙のニュートラルな白に、活版印刷された図版が鮮やかです。通常の紙は、印刷や筆記の適正をアップさせるため、紙の表面に滲み止め処理を施していますが、この紙は何も表面処理されていません。だからとても滲みます。そう、よく滲む紙は、よくインクを吸い取る紙でした。

季節が変わるタイミングでビュバーも衣替え、なんていかがでしょう。